選手は「引退したら会社に恩返し」しなきゃならないの? ~アスリートのセカンドキャリア~

以前こんなツイートをしたのですが

今日はその件について。

「引退したら会社に恩返し」

企業に勤めている社会人アスリートだったら

言われたことがある言葉だと思います。

引退した先輩や企業側から

「引退したら、お世話になった会社に恩返ししないとな。」

「職場のみんなに迷惑をかけてしまった分、一生懸命働かなきゃ。」

といった具合に。

僕もよく引退したラグビーの先輩方からよく言われていましたし、

そうした働き方とマインドが

若い後輩たちに対するお手本の姿なのだと信じて疑いませんでした。

こうした考えがあると、

引退後新しいステージに進む際、

思いとどまってしまうアスリートも多いのではないでしょうか。

「この職場を離れることは、失礼なことなんじゃないだろうか…」

そうして、その企業で働き続けることこそが

恩を返すことなのだという考えに陥ってしまいます。

アスリートは職場に迷惑をかけているのか?

引退後の会社への恩返しは必要なのでしょうか?

これは

選手が現役中は会社に「お世話になっている側」

逆に会社は「面倒を見ている側」

という考えによるものです。

もちろん社員選手は

時にはオフィス勤務免除、

時にはオフィスから早退して、

その時間をトレーニングにあてています。

そして選手の給料は、会社が負担しています。

だからと言って、

面倒を見ている企業・世話になっている選手

という関係性ではありません。

それは、

選手はオフィスを離れている間は

勝利に向けた努力をするという形で

企業に貢献しているからです。

所属する選手の存在や、その努力する姿が

その企業のブランドイメージを高め、

従業員のモチベーションやコミュニケーションをより良いものにします。

そういうことを目的に

企業はアスリートを採用していますし

アスリートもそう求められているはずです。

それが「オフィスでの仕事時間」だけを見ているために

いつの間にか

「働く時間が短くて申し訳ない」

「いつも仕事を同僚にカバーしてもらい、迷惑をかけている」

選手がそんなマインドになってしまうんです。

選手側もそうしたマインドになる必要は無いし、

逆に従業員側も、

選手の面倒を見ているといった考え方を持つべきではありません。

企業側もきちんとメッセージを出すべきです。

企業側は選手を応援する

選手はその気持ちに感謝して日々一生懸命取り組む

これでフェアな立場のはずです。

従業員から見えないところで選手は日々努力している

ですから企業で働くアスリートは

卑屈になる必要なんてありません。

ずっとその職場で頑張ることが恩返しなのだという

考えを持つ必要もありません。

ただ前提として、

感謝の気持ちは大切です。

そして社員選手である以上、

引退後もその業務に真摯に向き合い、

責任感をもって仕事をしていく事は必要です。

いつも応援してくれた会社・同僚に

リスペクトの気持ちを持って取り組んでいれさえいれば、

引退した時には自由なんです。

そこから去る時にもきっと会社は

気持ちよく送り出してくれるでしょう。

現役の時に感謝の気持ちを持って

仕事・競技を精一杯努力していたなら、その時に既に恩返しはできています。

そうしたマインドで現役生活を過ごせていたら、

もう少し気持ちが楽になるのではないでしょうか。

引退したら独立しよう!

とか

転職しよう!

とか言いたいわけではなく、

ただ、こうした悩みがあって次の一歩が踏み出せないでいるのなら

それは不要な心配ですよ、というお話でした。

おしまい

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