よく言う「アスリートの強み」って何だろう?

水泳の画像

「スポーツ選手にはビジネスでも通用する能力がある!」

「その強みをもっと活かそう!」

と現役選手時代にはよく言われていたんですが、

「俺も本当にそんな強み持ってるのかな?」

そんな風に昔からいまいち実感がないまま選手を過ごしてきて、

引退してからも正直答えが見つからなくて。

そこで、いま改めて考えてみました。

スポーツをやっていた人の強みとしてよく言われるのは

だいたいこういう事。

  • 上下関係をよく理解している
  • コミュニケーション能力が高い
  • 目標設定力がある
  • 一つのことを根気よく続ける継続力がある
  • ここぞの時の集中力が高い

「アスリートには価値があるんだよ!」

なんてよく言われていたけれど、

引退してからも、いまいちピンと来ませんでした。

なぜかというと、

上下関係とかコミュ力とか、

スポーツやっていなくてもバイトやサークルで養えるし、

集中力や継続力だって、

そのスポーツにのめり込んでいるのだから当然なわけで。

周りの同僚なんかと比べてみても、

強みとして実感ができない。

むしろ引退してからしばらくは、

業務経験が少ないという引け目を感じながら

仕事に取り組んでいました。

情けなかったなぁ…。

そこで考えてみました。

そもそも、アスリートである以前の話として

熱中できることを見つける

のが大事なんじゃないか。

それをどれだけ探求してきたかどうか。

そういうことを何度経験してきたか。

好きな事なら

誰に言われなくとも集中して取り組むし、

意識せずに目標設定もしている。

色んな情報を取りに行くから、その道に詳しくなる。

それが僕たちにとっては、スポーツだったというだけで。

僕も大好きなラグビーをやっていたから、

ずっと高みを目指して、

トライ&エラーを繰り返しながら

時間と情熱を費やして取り組んできました。

しかし日本でスポーツをやっていると、

例えば部活なら、

放課後も、夏休みも、冬休みも、ずっと部活。

旅行に行ったり、ボランティア活動をしてみたり、

別の何かを探求するまとまった時間がない。

スポーツができれば、勉強ができなくてもOKな風潮があるから

学問を通じて発見しうる、新しい興味関心に出会うことが無い。

もし競技以外のことに取り組んでいると

競技だけに集中しろと怒られたり、

チームメイトに茶化されたり。

競技には夢中になれるものの、

その世界しか見えないので幅が広がって行きません。

興味の幅を広げて、

あーだこーだと考えを巡らすことが、

人を成長させていく。

などと書き綴ってみましたが、

僕がアスリートを経験して得たと実感している強みが3つあります。

やっぱりスポーツは苦しい事と向き合う必要がありますから、

人間をタフにしてくれると思います。

ひとつ目は、

体力がある

え、そんなことかよ!

と思われるかもしれませんが、

体力ってビジネスの現場で大事だと痛感しています。

すぐにくたびれてしまうようだと、集中力が続きません。

大事な時に体調を崩してしまったら、チャンスを逃してしまいます。

僕は転職して新しい会社で働き出した時、

実績を作って信頼を得ねばと、がむしゃらに働きました。

新しいことだらけで、好奇心を持ってとことん仕事にのめり込みました。

忙しい時期は労働時間がかなりの量になりましたが、

精神面も体調も崩さずにやり遂げることができました。

ふたつ目は

困難なことに立ち向かうことができる

トップレベルに行けば行くほど、

苦しい事に逃げずに向き合おうとする人が多いと思います。

例えばイチロー選手だって、

野手としては絶対に成功しないと言われた

メジャーという厳しい環境に自ら挑戦したように。

うまく行かない時に笑ってごまかしたり、

陰でグチグチ言って責任逃れしてるんじゃなくて、

真剣に向き合って

努力や工夫で乗り越えようとしていけることが

多くのアスリートが持っている強みだと思います。

みっつ目は

チームの中での自分の役回りを心得ている

シンプルに言うと「チームワーク」。

よくある言葉ですが、行うは難し…

チームスポーツをしていると、

同じ目標を目指す仲間の中にも、なかなか難しい人間がいたります。

  • 新しいことにネガティブな人
  • 自分のミスを他責にしがちな人
  • 否定をすることで存在感を示そうとする人
  • チームより自分が大切な人

などなど…。

リーダーだったら、そんなメンバーをもモチベートさせ、

彼らの良いところを引き出して、

一緒に目標に向かっていく力が求められます。

フォロワー側だったら、リーダーをサポートして

チームの前進をドライブしていく必要があります。

僕は大学の頃、ラグビー部員の寮の生活を風紀委員的に管理する

寮長という役職につきました。

あの時、約90人の部員の生活をうまく正すことができず

非常に苦労しました。

今思えばその要因は、

自分で何でもやろうとしていたからです。

しかもトップダウンで。

組織として機能していませんでした。

そういった経験から、リーダーをより細かく配置することや

対話をすることの重要性を学びました。

このほか、チームとして共通の目標に向かっていくための

様々な反省や経験が今の自分に活きています。

まとめ

アスリートとひとくくりにしても、

個人競技、団体競技の違いもありますし、

特徴は様々です。

僕は上記のような力が選手時代を通じて身についたと思っていますが、

結局は人それぞれだと思います。

その能力というのは、自分では無意識にやっていることで

意外と自分ではわからないものです。

自分はどんな能力が高まったのか、

それを仕事の中でどう活かしていけるのか、

自分でじっくり考えてみると

次のステップが見えてくるかもしれません。

若い選手には、

競技を通じて得た「自分の得意な事」を考えてみる事

競技以外にも様々な事に興味を持って取り組んでみる事

のふたつをお勧めしたいなと思っています。

水泳の画像
Twitterでも発信しています